た社会実験の一つでした。
3 パートナーシップ社会の構成−アクティブ・ボランティア育成のために
最初のグラウンドワークが設立されたのは1981年、イギリスの中でも経済の低迷や環境汚染などいろいろな社会問題を抱えていた産業革命発祥の地、マンチェスターの郊外でした。行政からの補助金に合せて企業からの寄付、そして市民の協力を得て環境改善運動に取り組んだのです。活動を1年、2年と続けていくうちに、大きな成果を期待できることが分かってきました。
成功の秘訣は、一つには市民、行政部門、企業部門が協力したことですが、もう一つ忘れられないのは、専門知識をもったボランティア活動家が専従したことです。それまでボランティアといえば、奉仕の精神がもっとも大切にされました。グラウンドワークの実験では、専門知識をもつボランティアが生活費程度の報酬を得ながら、地域の環境改善活動に従事しました。雇用機会の創出という点でも、グラウンドワークは高く評価されました。
従来型の奉仕精神にもとづくボランティアを「パッシブ(受身の)・ボランティア」というなら、グラウンドワークのそれは「アクティブ(積極的な)・ボランティア」ということができます。グラウンドワークの活動を契機に、ボランティア概念が大転換することになりました。
グラウンドワークと同じような活動をしようと、イギリスではその後数多くの市民活動が誕生しました。もう市民活動とのタイアップなしの行政は考えられなくなり、新しい市民活動に大いに期待が寄せられるようになりました。
市民活動の担い手たちに会ってみて面白かったのは、いわゆる労働党支持者たち−日本流に言うと革新系ということになるのでしょうか−が頑張っていたことです。政治的な構造を単純化するのは危険ですが、一方で保守党政権が行政システムを大転換し、他方で労働党支持者たちが地域活動を展開しているというわけで、国中に市民の活気が溢れるようになりました。
それでは、グラウンドワークはじっさいにどういう組織で、どんなことをしてきたかご紹介してまいります。
図1は、1981年、グラウンドワークが活動を開始したときのグラウンドワークのシンボルマークです。上のほうに「GROUNDWORK」という名前が掲げられ、下のほうに「PARTNERSHIP FOR ACTION」という言葉になっております。「パートナーシップ」という言葉はグラウンドワークの人たちにとっては大変な誇りです。いまでこそ「パートナーシップ」は世界中の政治家にとって、市民活動家にとっても欠くことができないキーワードになっています。その最初の言葉を自分たちが提案したのだという誇りを持っています。
マークの中を見ていただきますと、上の方に古い工場が黒々と描かれています。下の方に緑があります。上から下へこのシンボルマークのように環境を改善したり、再生していこうというのが、グラウンドワークの理念でした。
図2は、グラウンドワークの新しいシンボルマーク、活動10周年を迎えたときのパンフ
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